ドーナツ好きですか?はい、僕は好きです。
さて、ドーナツを味わうためには勿論コーヒーが必要不可欠ですね。まあ賛否あると思いますが、とりあえずそういう事にしてもらって、つまり何が言いたいのかというと、この『J・ディラと≪ドーナツ≫のビート革命』という本は、ディラの『DONUTS』というアルバムをより深く味わうための役割を果たしてくれる、ということでございます。
というか最早、ビートミュージック全般、さらに言ってしまえばいかなる音楽をも、いや極論を言ってしまえば「生」というものを深く味わうことができる本だということです。
持ち上げすぎた感を多少感じるかもしれませんが、いやいや、全然ハイプではありません。
著者のジョーダン・ファーガソン氏が、ディラの『DONUTS』の評価について、それがハイプではないと証明しているように、この本に対する僕の評価も決してハイプではない、ということです。
なんてったって、アルベール・カミュの理想がディラの『DONUTS』にはあるんです。不条理世界の希望ですよ。僕の大好きなポール・オースターの世界観です。
なんのこっちゃと思ったなら、読んでみればよろし。
ディラが「死」とどのように向き合っていたのか。知る由もないけども、ジョーダン・ファーガソン氏の解釈はとても興味深い。
だから、読んでみればよろし。
そしてしょうがないので世界で最も陳腐な言葉を使いますけれども、これは『涙なくしては読むことのできない』本で間違いなし。
ディラの周囲の面々(マ・デュークスをはじめ)の、ディラに対するリスペクトや愛情をそのコメントやエピソードから存分に感じとることができます。確実に泣きます。はい。
もう多くは語りません。(語彙がないだけ)
ヒップホップ、ビートミュージック好きな人もそうでない人も、この『J・ディラと≪ドーナッツ≫のビート革命』を読んでディラの生き様を心に刻むべし。
追伸的な感じになっちゃってあれですが、翻訳してくださいました吉田雅史さんの訳がとっても良かったし、解説も面白かったですー。感謝。
当分はディラ聴きながら、クロス貼りまくります。
おわり。