ほんといろいろ。

小説の感想とその他いろいろ(音楽、映画、壁紙...)愚考録

愚痴はカズオ・イシグロへ、そしてロス・マクドナルドで眠る

知り合いの職人さんの手伝いで、僕は今仙台に来ている。今日明日の予定なので、今夜はビジネスホテルに宿泊(このブログはそこで書いている)。

その現場は、僕らクロス職人にとってこれ以上ないであろうくらい酷い。大抵の仕事には期限というものがあるけれども、勿論クロス職人にもそれはあって、この日までに仕上げなければいけない、という工期がある。

新築の現場では、とにかく様々な業者さんが入り乱れるけれども、最初の方をだいぶ端折って書くと、まず大工さんが造作を終えて、それからクロス屋さんがクロスを貼って、器具(電気、設備)の取付けをして、クリーニングで綺麗にしたら検査をして引渡す、というのが大まかな流れ。

クロス屋さんの工期は、お家の大きさにもよるけれども、まあ建坪30〜40坪くらいであれば、10日前後というところ。つまり大工さんが「終わって」から約10日ほどして、器具屋さんはやってくる。

ところが、今の現場はと言えば、今日も大工さんは作業していて、僕らクロス屋さんの工期は今日まで。とにかく出来るところからやっているわけだけれども、これでは寝ずにやったとしても終わるはずはない。

。。なんだか愚痴の様相を呈してきたので、ここら辺でやめておこう。

「カズオ・イシグロ面白いっすねえ」

今日、その知り合いの職人さんと交わした会話の中で、印象に残っている言葉が、これだった。彼は仕事中、それを「聴いていて」、僕も小説を「読む」のが好きだということを知っているので、ふいに(本当にふいにだった)その言葉を発した。

僕は一瞬、何のことかわからなかったけれども、「あ、聴いてたな」と気付き、言葉を返した。

「そうなんですか。僕はまだ読んだことないんですよー」

彼は「聴いていた」のに、僕は「読んでいない」と答えるのはおかしかったかもしれない、と何となく今になって思っている。

帰り道、『カズオ・イシグロ』の小説を買おうかと書店に寄ったのだけれども、何故か僕は『ロス・マクドナルド』の小説を買ってしまった。こういう事は往々にして起こりがちだけれども、これがまた書店に行く醍醐味でもあるのかもしれない。

僕の意志の弱さを露呈したところで、そろそろ書くのは終わりにして、その小説の続きを読みながら眠りにつこうと思う。では。

おわり。