ほんといろいろ。

小説の感想とその他いろいろ(音楽、映画、壁紙...)愚考録

向こう側。

温泉旅行へ来ている。と言ってもご近所、花巻南温泉郷志戸平温泉である。盛岡に住んでいると、少し山の方へ向かって車を走らせればいくらでも温泉があって、北東北の極寒の冬からささやかに逃避することができるのである。温泉に浸かりながら外の雪景色を眺…

一瞬間の気まぐれ。

冬生まれのくせに冬は苦手である。出来ることなら雪の降らない南国へと引っ越したい。まったく岩手の冬は寒い。初雪に歓喜したあの純真さはどこへ行ったのだろう。先日ケストナーの『飛ぶ教室』を読んで、少しだけ冬の、というかクリスマスのワクワク感とい…

気持ちのいい朝。

岩手山もすっかり雪化粧。今朝は晴天、稜線もくっきり気持ちいい。先日から八幡平市の現場。降り積もった雪も一旦溶けて、とりあえず一安心。 とまあ、こんな簡単な日記のようなものをたまには書いてみる。 海外文学メモのようなブログを新たに始めることに…

戦争かそれ以前か『悪童日記』アゴタ・クリストフ

とある戦争の最中、<大きな町>から<小さな町>へと疎開してきた双子の秘密のハードボイルド日記。無感情から生まれるエモーション。とても刺激的な読書体験を味わうことができる。これは読んでおいて損はない小説である。 戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら…

それは書くべきである『供述によるとペレイラは…』アントニオ・タブッキ

私は子どもたちに何としても原爆資料館と平和公園を見せてやりたい。 -附田政登(盛岡誠桜高校校長)2019 2019年11月24日。ローマ法王訪問による平和公園閉鎖のため、予定していた修学旅行での「広島平和記念資料館」見学を諦めていただけないか。そう連絡を受…

全てへの祈りを捧げる眠りの書『レクイエム』アントニオ・タブッキ

夢でもし逢えたら素敵なことね あなたに逢えるまで眠り続けたい 『夢で逢えたら』大瀧詠一 前回の『インド夜想曲』が不眠の書であるならば、この『レクイエム』は眠りの書と言えるかもしれない。ゆっくりとまぶたを閉じ眠りに落ちれば、もう一度逢いたいと願…

アトマン探求の旅。『インド夜想曲』アントニオ・タブッキ

失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公、彼の前に現われる幻想と瞑想に充ちた世界。インドの深層をなす事物や人物にふれる内面の旅行記とも言うべきこのミステリー仕立ての小説を読み進むうちに読者はインドの夜の帳の中に誘い込まれてしまう。イタ…

僕の弟子はお爺さん

「オレがもう少し若ければあなたの弟子になったのにな」 冗談だったかもしれない。しかし、そのお爺さんが僕のことを気に入ってくれている雰囲気はすでに感じ取っていたので、多分思いのほか本気の台詞なのではないかと僕は思った。なのでそれはなかなか、と…

輝ける愚行の穏やかな響き『ブルックリン・フォリーズ』ポールオースター

つまり、草野正宗氏の言葉をお借りするならば、 くだらない話で安らげる僕らは その愚かさこそが何よりも宝物 (「愛の言葉」より) ということなのだ。 傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた──一人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネ…

『ミスター・ヴァーティゴ』ポールオースター

いつから無心で信じるということができなくなったのだろうか。 「私と一緒に来たら、空を飛べるようにしてやるぞ」ペテン師なのか?超人なのか?そう語る「師匠」に出会ったとき少年はまだ9歳だった。両親なし、教養なし、素行悪し。超然とした師匠の、一風変…

音楽との出会いはマックでコーヒーと。

ちょっと体重が減少して、なかなか元に戻らないので逆ダイエットしている。つまり、なるべくカロリーのあるものを食べるようにしているのだけれども、それでもほぼキープの状態が続いている。どこか身体が悪いのだろうかと不安になるが、ここ1カ月以上休みな…

それは唯それである。『穴の町』ショーン・プレスコット

属性というのは生まれついた環境であって、勝ちとったり見つけたりするものではないのだ。 (『穴の町』より) 「育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない」僕はセロリ好きだが、あなたは嫌いかもしれない。 先日ふらっと入った本屋さんの外国文学コーナー…

世界に潜む、良い人。

僕は今、とても感動している。 僕ら夫婦はアパートの1階に住んでいて、そのベランダの前には横並びで2台分の駐車場がある。そこにはいつも、僕の車と他の部屋の住人の方の車が停められている。ベランダと駐車場の距離は1.5mくらいしかない。 ベランダに置い…

人生は儚いから土岐麻子の歌声で僕らは辛いことを忘れ踊り楽しむのである

何故だかわからないけれども、何となく秋を感じ始めると聴きたくなるのが、土岐麻子の歌声である(アイズレーに引き続き、急に聴きたくなるシリーズpt.2)。この声は一度聴いたら忘れることはできない。なんというか、キュートなくせにセクシーである(褒め)。 …

東北楽天ゴールデンイーグルス銀次の生まれ故郷へ。

昨日で無事リフォーム現場が終わり、今日から新築一般住宅の現場入り。岩手県普代村。 『あまちゃん』の舞台、久慈市の少し南にある人口3000人弱の村である。そして、東北楽天ゴールデンイーグルスの銀次の生まれ故郷でもある。 僕の住む盛岡市から約120キロ…

夏の終わりとアイズレー・ブラザーズ

あー、ついに夏が終わってしまったのかもしれない。と思わせる今日の涼しさと雨。 そんな雨の中を車で移動中、無性に寂しさを感じると共に、急に聴きたくなったのはアイズレー・ブラザーズの『The highways of my life』。何から連想したのかは覚えていない…

句読点とリズム

句読点の位置って、文章を書いていて多分一番、と行っても過言ではないほど気にするところ。これは文体と一緒でその人の好みなんだろうけれど、「書く」時だけではなく「読む」時にも非常に気になってしまう。 え。と思う位置にそれがあると、もうそこで読む…

夏の暑さと湯の熱さ。

今日も岩手は暑かった。 夏の暑さにも負けぬ丈夫なカラダ、といきたいところだが完全に負けている。耐えきれずエアコンの効いたコンビニへ避難し、アイスを買い、食べながら太陽に文句を言う。欲はあり、この暑さに怒りまくりである。ソウイウモノニボクハナ…

偶然のサカナクションは糧になり明日へと向かう

仕事が終わり、東北道を北へ。ふと右手を見れば花火が上がる。車内のBGMはサカナクション『陽炎』である。 陽炎サカナクションロック¥250provided courtesy of iTunes 街は静か 花火のように空が鳴った 逃げ遅れた 逃げられなかっただけか ささやかな偶然に…

自分たちの感覚に素直に音を鳴らす『lucky tapes』を聴いて目に見えない重力から自由に

音楽というのは、ごちゃごちゃ言わずただ感じればいいのだ。 lucky tapesの曲を聴いて心地よいと感じるのなら、つまりそれは心地よいということで、それ以上でもそれ以下でもないということである。 勿論、いいなと思えば、どんな人たちなのかとか、その音楽…

性格だから許して

時折、妻が僕の手相を見る。そして、決まって「運命線がない。。」と言ってそのわずかな占いの時間は終了する。それが何を意味するのかは決して言わずにである。今までに何度同じ事を繰り返したか覚えていない。不可解な行動である。 結局自分で調べる(今更)…

(仮)よく晴れた休日に『lucky tapes』の心地良い音楽でチル。

先日からリフォームの現場。お客さんに淹れていただいた、ひんやり豆乳ラテがとても美味しく、癒されつつ涼む。岩手も梅雨明け間近というところ(明けた?)。結局今年も猛暑の夏になるみたい。夏は好きだけれども、あまり暑すぎるのはちょっとつらい。 まあ、…

川上未映子『乳と卵』から『夏物語』へと続く物語と残業と。

残業を控え(書き終えたのはすでに残業中)、休憩しつつカレーパン(ローソン)を食べながら、それが入っていた袋に書かれた「本品に含まれているアレルゲン」の部分を読む。乳・卵・小麦・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・りんご。 お。ということで、川上未映子『乳と…

川上未映子の繊細な毒気と新作。

則本でなんとか連敗ストップ。とりあえずオールスター前に止まってよかったよかった。おかえり則本。 川上未映子の新作が出るということで、ちょっと読み返している。ガサごそと本棚を漁ると、『ヘブン』や『すべて真夜中の恋人たち』、『乳と卵』などが出て…

記憶に記録に永遠に。些細なお祝いとサカナクション

普段はほとんどお酒を飲むことはないのだけれど、今日は久々にビールを買って宿泊先のホテルで飲んでいる。 最近、妻が仕事を覚えたいということで(元保険屋事務、現自称ニート)、たまに一緒に現場に行き、ちょこちょこ教えていた。クロスの方はなかなか覚え…

老化を防ぐ方法『予定は未定で。』ライムスター

いつも仕事をしながら音楽かラジオを聴いている。今日(2019.6.30)の午前中は音楽、午後からはラジオだった。日曜日にラジオを聴くのは久々だったのだけれども、疲れも見えだした午後7時、耳に入ってきたのはライムスターのDJ JINの声。あれ?番組変わったの…

『幽霊たち』ポール・オースター

いつだったか忘れてしまったけれど、僕が初めて読んだポールオースターの小説。それが『幽霊たち』だった。 私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラ…

いやなに大したことじゃないのだけど

アリが大きい。 今日はどこもビジネスホテルが空いていなくて、ちょっと山奥の宿に泊まることに。仕事を終え、ナビをセットしトコトコ車を走らせる。本当にこんなところにあるんだろうかと不安になりかけたところで、灯りが見える。車を駐車し、中へ入り名前…

雨のせい

今日は仲の良いDJ(元相棒)が地元で回すということで、タイミングよく実家に滞在中(仕事の関係)だったしちょっと遊びに行こうかな、なんて思っていた。が、仕事を終え帰って一息ついたらもう終わりである。行くのが億劫になってしまった。これを歳のせいにし…

『闇の中の男』ポール・オースター

家族だろうが他人。他人だろうが家族である。 ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土に内戦が起きている。闇の中に現れる物語が伝える真実。祖父と孫娘の間で語られる家族の秘密──9・11を思いがけない角度か…